コンサルタントの道具箱

コンサルタントの道具箱
コンサルタントの道具箱。このタイトルから想像するのは、コンサルタントたちが普段から使っているフレームワークやノートテイキングといったさまざまな手法だったり、コンサルタントが普段から使っているツールのような具体的な道具かもしれない。
実際、僕もこのタイトルから想像していたものは、その種の具体的なものだった。だが本書は、そのタイトルから想像されるものとは異なり、コンサルタントが持つべき知恵をツールという比喩を通じて表現したものである。
本書では、16の道具を紹介している。これらの道具は、

あらゆるコンサルタントが、そしてアドバイスをしたり求めたりする全ての人がいつも携えるべきいくつかの大事な道具のことだけを書くことにする。

とあるように、すべてのコンサルタントに必要な共通の道具である。著者が考えるコンサルタントに必要な道具とは何か、どういう使い方をするものなのかをしりたければ、ぜひ本書を読んでみてほしい。

僕が面白いと感じたのは、これらの個々の道具に関連するエピソードである。著者がコンサルタントを通じて、実際に道具を使って得た経験を紹介し、道具箱の使い方や問題点を具体的に教えてくれる。また、そこから得た教訓を随所にちりばめてくれている。たとえば、探偵帽と虫眼鏡の章ではこのような教訓が示されている。

問題を探しているときは、最初に見つけた問題に目を奪われるな。

これらの教訓を知るためだけに本書を読むだけでも、本書の価値がある。